『ハムレット』×99
1シェイクスピアの中で最も長い戯曲。
登場人物
- ハムレット(Hamlet)1:デンマーク王国の王子。(原作当時は16歳の設定でしたが、30年間教会使用人であったという墓堀人夫の台詞から30歳とする説もあります)
- ガートルード(Gertrude):ハムレットの母。クローディアスと再婚。
- クローディアス王(Claudius):ハムレットの叔父。ハムレットの父の急死後にガートルードと結婚、兄の後継のデンマーク王に。
- 先王ハムレットの亡霊(King Hamlet, the Ghost):先代のデンマーク王。ハムレットの父。クローディアスの兄。
- ポローニアス(Polonius):デンマーク王国の侍従長。王の右腕。
- レアティーズ(Laertes):ポローニアスの息子。オフィーリアの兄。
- オフィーリア(Ophelia):ハムレットの恋人。ポローニアスの娘。
- ホレイショー(Horatio):ハムレットの親友。
- ローゼンクランツとギルデンスターン(Rosencrantz and Guildenstern):ハムレットの学友。
- レナルドー:ポローニアスにパリ留学先での息子の監視を依頼されます。
- フォーティンブラス(Fortinbras):ノルウェー王国の王子。
- オズリック(Osric):廷臣。ハムレットとレアティーズの剣術試合の審判。
有名なセリフ
Frailty, thy name is woman.「弱き者よ、汝の名は女」坪内逍遥訳
ハムレットが夫の死後すぐに義理の弟であるクローディアスと再婚した母・ガートルードに対する批難の台詞。当時の男性中心社会の中で、女性の意思の薄弱さなど意味しています。
To be or not to be, (that is the question).「生きるべきか死ぬべきか」
父の無念を抱えたまま生き続けるか、それとも決断して死を覚悟の上で復讐を遂げるか。そんな悩みを吐露する場面で放たれています。2
Get thee to a nunnery!「尼寺へ行け!」
ハムレットがオフィーリアに向かって言った台詞。汚れた世間にかかわらずに女子修道院に行ってほしいとの気持ちや、自分に構うな、女の恋愛感情は不愉快などの解釈がありますが、一部には、当時尼寺は、隠語で淫売屋を表現する言葉だったので「売春婦にでもなれ」と罵ったという解釈もあるそうです。
映像化
3- 50☞1900年『Prince Hamlet』Hamlet was Sarah Bernhardt in a five-minute film of the fencing scene
- 51☞1907年版 Silent versions of the play were directed by Georges Méliès
- 52☞1908年版 Luca Comerio
- 53☞1910年版 William George Barker
- 54☞1910年版 August Blom
- 66☞1910年『Amleto』 Italy4
- 55☞1913年版 Cecil Hepworth
- 56☞1917年版 Eleuterio Rodolfi
- 74☞1919年『Oh’Phelia』 (UK) animated burlesque of the Hamlet story
- 57☞1920年版 rom Edward Vining’s 1881 book 58☞”The Mystery of Hamlet”in which Hamlet is a woman who spends her life disguised as a man.5
- 67☞1935年『Khoon Ka Khoon』6Feature India
- 75☞1942年『To Be or Not To Be』 (USA) is the story of an acting company in 1939 Poland.アメリカン・ブラック・コメディ
01☞1948年版『ハムレット』ローレンス・オリヴィエ監督、主演。モノクロで重厚な雰囲気。共演クリストファー・リー等。
- 英国アカデミー賞作品賞
- アカデミー作品賞
- アカデミー主演男優賞
- アカデミー美術賞:ロジャー・K・ファース(美術監督部門) / カーメン・ディロン(装置監督部門)
- アカデミー衣裳デザイン賞:ロジャー・K・ファース(白黒部門)
- ゴールデングローブ賞外国映画賞
- ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)
- ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞
- ヴェネツィア国際映画祭 女優賞:ジーン・シモンズ(オフィーリア役)
- 68☞1953年版 Hallmark Hall of Fame (live TV performance, preserved on kinescope)
- 02☞1960年『悪い奴ほどよく眠る』 黒澤明監督。ハムレットの内容を下地にしている日本の昭和時代が舞台。
- 59☞1961年版 Maximilian Schell
- 69☞1963年『Hamlet at Elsinore』TV version, Denmark/UK
- 60☞1964年『Richard Burton’s Hamlet』a successful run of the play at the Lunt-Fontanne Theatre
- 61☞1964年『Hamlet_at_Elsinore』TV version
- 04☞1969年版 ヒロインにマリアンヌ・フェイスフルを起用
- 62☞1970年版 TV version. Richard Chamberlain.
- 76☞1974年『Acting Hamlet in the Village of Mrdusa Donja』 (Yugoslavia,) Entered into the 24th Berlin International Film Festival.
- 77☞1977年『Angel of Revenge/Female Hamlet 』(Turkey)拙訳:復讐の天使/女ハムレット
- 70☞1976年 Helen Mirren as Gertrude and Ophelia
- 71☞1980年 BBC Television Shakespeare:
- 73☞1983年『To Be or Not To Be』 (USA) 1942年同名作品のリメイク
- 74☞1983年『Strange Brew 』(Canada), a comedy.
- 75☞1987年『Hamlet Goes Business (Hamlet liikemaailmassa)』 (Finland)コメディ
- 65☞1990年版 Kevin Kline Hamlet for the New York Shakespeare Festival which was televised in 1990
- 76☞1990年『Rosencrantz & Guildenstern Are Dead』 (USA,)「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」 film based on Tom Stoppard’s stage play.監督Tom Stoppard,出演Gary Oldman,Tim Roth,Richard Dreyfuss
05☞1990年『ハムレット』(字幕版) 7,8
主演:メル・ギブソン(『リーサル・ウェポン』『ブレーブ・ハート』など)
原作には“He is fat.”という記述があるが、アクション俳優であったメル・ギブソンがこの映画でハムレットを演じるまで、がっしりした体格の俳優はあまり配役されなかった。34歳頃。
オフィーリア:ヘレナ・ボナム・カーター(『鳩の翼』『英国王のスピーチ』など)24歳頃。
ガートルード:グレン・クローズ(『危険な情事』『101』『アルバート氏の人生』など)43歳頃
デンマーク人は酒飲みなのか?
「この酒盛りのせいで我々は他国に軽んじられる」
大人の飲酒量は世界26位で、EUの中では中位程度とか1。
- 63☞1991年版 BBC Television Shakespeare11
- 64☞1992年版 BBC2アニメ版シェイクスピア・シリーズ
- 77☞1994年『Renaissance Man 』(USA)「拙訳:ルネッサンスの男」Danny DeVitoが、U.S.Armiyの短期教育係を演じます。
- 78☞『The Lion King』 (USA) Disney’s animated adaptation of the Hamlet story.声の出演;ジェレミー・アイアンズ他
19世紀のデンマーク王国を舞台に、台詞を1つもカットせずに4時間にわたって描きます。
歩哨バーナード:イアン・マッケルヒニー(『Tuders』など)
歩哨マーベラス:ジャック・レモン(『お熱いのがお好き』『アパートの鍵貸します』など)
クローディアス – デレク・ジャコビ(『オセロ』『英国王のスピーチ』など)
オフィーリア – ケイト・ウィンスレット(21歳 翌年『タイタニック』に出演)
ハムレット – ケネス・ブラナー(36歳シェイクスピア俳優、監督)
ガートルード – ジュリー・クリスティ(56歳『アウェイ・フロム・ハー君を想う』ゴールデングローブ賞主演女優賞)
劇中劇ヘカベのイメージ;ジュディ・ディンチ(『恋に落ちたシェイクスピア』など)
レナルドー:ジェラール・ドパルデュー(『シラノ・ド・ヴェルジュラク』でカンヌ映画祭男優賞、『宮廷料理人ヴァルテール』など)
劇中劇の王:チャールトン・ヘストン(『わが命つきるとも』トマス・モア役など)
廷臣オズリック:ロビン・ウィリアムス 最期の場面でノルウェー軍らしい茶色い袖の人物に刺される12(『グッド・モーニング・ベトナム』『フィッシャーキング』『ミセス・ダウト』などで、ゴールデングローブ賞主演男優賞)
ノールウェー王子フォーティンブラス:ルーファス・シーウェル(『娼婦ベロニカ』マルコ役、『トリスタンとイゾルデ』など)
英国使節:リチャードアッテンボロー(『ガンジー』アカデミー賞監督賞など)
墓堀人「王子様はイギリスへ送られたがね。」
ハムレット「なぜイギリスへ?」
墓堀人「気が狂ったからでさ。あそこなら狂ってても平気だ。」
ハムレット「なぜ?」
墓堀人「みんな狂ってるから目立たない。」
イアン・マッケルニヒ『Tuders~背徳の王冠season1』(第7話神の怒り)教皇クレメンス7世
ケイト・ウィンスレット『タイタニック』(ロミオとジュリエット映像化作品)
ケネス・ブラナー『シンデレラ』監督
ジュディ・ディンチ『ビクトリア女王最期の秘密』ビクトリア女王
ルーファス・シーウェル『高い城の男』親衛隊大将ジョン・スミス
リチャード・アッテンボロー『エリザベス』ウィリアム・セシル
- 79☞1996年『In The Bleak Midwinter 』(aka “A Midwinter’s Tale”) (UK) tells the story of a group of actors performing Hamlet.
- 80☞1999年『Let the Devil Wear Black 』(USA)「拙訳:悪魔に黒を着せろ」舞台は現代のロサンゼルス。
(原作)1992年『ハムレットマシーン シェイクスピア・ファクトリー (ハイナー・ミュラー・テクスト集) 』Heiner Muller (原著), 岩淵 達治 (翻訳), 谷川 道子 (翻訳)5つ星のうち4.6(3個の評価)
- 72☞2000年版 TV version USA13
- 73☞2003年 UK Video, William Houston
18☞2006年『女帝 [エンペラー]』12006年
馮小剛監督による香港・中国の合作映画。チャン・ツィイー主演で中国王朝時代に置き換え、王妃(ガートルート)を主人公としています。
- 74☞2007年『The Tragedy of Hamlet Prince of Denmark』
- 65☞2009年版 Royal Shakespeare Company BBC2
- 75☞2009年版 UK TV version
- 81☞2014年『Haider』 (India) Hindi adaptation set in Kashmir
クラシック
- 19☞ドメニコ・スカルラッティ:オペラ『ハムレット』
- 20☞アンブロワーズ・トマ:オペラ『ハムレット』(1868年)
- 21☞フランツ・リスト:交響詩『ハムレット』
- 22☞チャイコフスキー:幻想序曲『ハムレット』、劇付随音楽『ハムレット』
- 23☞プロコフィエフ:劇付随音楽『ハムレット』
- 24☞ショスタコーヴィチ:劇付随音楽『ハムレット』
- 25☞アルフレッド・リード:「ハムレット」への音楽
- 26☞フランコ・ファッチョ:『アムレット』
小説・マンガ
- 93☞1843年『A Christmas Carol』, Charles Dickens underscores Jacob Marley‘s death by an analogy to Hamlet:
There is no doubt that Marley was dead. This must be distinctly understood, or nothing wonderful can come of the story I am going to relate. If we were not perfectly convinced that Hamlet’s Father died before the play began, there would be nothing more remarkable in his taking a stroll at night, in an easterly wind, upon his own ramparts, than there would be in any other middle-aged gentleman rashly turning out after dark in a breezy spot … literally to astonish his son’s weak mind.— Charles Dickens, A Christmas Carol[83][84]
- 85☞1891年『I am a Moscow Hamlet』Anton Chekhov [73]
- 82☞1918-20年『Ulysses(ユリシーズ)』The ninth chapter of James Joyce‘s. 第一部第一挿話にハムレットが登場。
- 94☞1934-82年『Roderick Alleyn』警察官が主人公のシリーズ。Ngaio Marsh‘s detective Roderick Alleyn often talks and thinks of Hamlet in her novels.[85][86]
- 86☞1965年『God Bless You, Mr. Rosewater』 In Kurt Vonnegut‘s novel, the protagonist, Eliot Rosewater, writes a letter to his wife while pretending to be Hamlet.[75]
著者26歳の作品で、1972~73年連載の『ベルサイユのばら』(池田理代子著)ロザリーそっくりの人物や、勧善懲悪のプロット、不幸な少女のシンデレラストーリーなど、当時の少女漫画の典型的なシステム・デザイン。
「ハムレット」を解く 王位継承順位
Queenは王妃とも女王とも翻訳できます。作品が書かれた当時のイングランドのエリザベス1世女王は、外国の王や国内の候補者との結婚政策が側近によって議論され、恋人とは結婚できず独身のまま生涯を終え、結果的に遠縁にあたる隣国の王にイングランド王位が継承されることになりました。先代のメアリー1世女王はスペイン王を王配として夫に迎えました。隣のスコットランドのメアリー女王はフランス王の夫が存命中は共同統治しましたが、外国人に支配される脅威からフランス王の死後はスコットランドの議会が国内の人物を夫にするよう勧めました。
クローディアスが先王の死後、自分で王位につくのではなく、ガートルードと結婚することによって王位についたことが、その時代の観客は、容易に想像できることでしょう。
墓堀人夫は先王が決闘に勝った日にハムレットが生まれたと言っていますが、先王とガードルードの正式な結婚前に生まれたのであれば、カトリックの考え方であれば、ハムレットは私生児です。私生児に王位継承権は無く、ハムレットは聖職者になるべくルターが教授であったウィッテンベルグ大学1にやられていました。先王の死後、30歳のハムレットが王位につかず、ガートルードと結婚したクローディアスが王位についたのも、ハムレット私生児説を裏付けます。ガートルードと先王の間の他の息子(ハムレットの弟)も登場しませんので、そのような王位継承者はいないことが想像できます。
作品がかかれた当時のエリザベス1世女王16は、父ヘンリー8世王の嫡出子に生まれ、母の失脚にあたって庶子とされ、後に王位継承権を復活された経緯の持ち主です。ヘンリー8世はカトリックに対抗してイングランド独自の教会(聖公会)の首長となり、エリザベス1世もそれを引き継ぎます。カトリックの観点ではエリザベス1世は私生児で王位継承権はなく、隣国スコットランドのメアリー女王は血統から自分のイングランド王位継承権を主張しています。イングランドの国教(聖公会)の観点では、その首長である王が指名すれば、私生児でも王位後継者になれるのです。
ハムレットの父親は誰か
先王ハムレット 最もスタンダードな視点です。ハムレット1の父母への愛情や母の再婚に対する屈折した思いから、フロイトやラカンをはじめ、オイディプス(エディプス)コンプレックスと結びつける様々な分析がされています。
クローディアス王 前述したブロガーのえいいち氏は、壮年になるまで独身で子供もいなかったことなどから、クロディアス王をハムレットの父と推測します。ガートルードは、“不倫相手と共謀して、かつて愛していたはずの夫を殺害し、あまつさえその不倫相手と堂々と再婚してしまった、厚顔無恥な毒婦”ではなく、“引き裂かれた恋を三十年かけて取り戻し、なおかつ愛する一人息子をようやく日のあたるところに引き戻すことに成功した”と解釈しています17。
ノルウェー先王フォーティンブラス 30年前に先王ハムレットと決闘した相手ですが、クローディアス王は兄王ハムレットを毒殺した可能性があるのに対し、先王ハムレットは公式に決闘で相手を倒し王位(を持つガートルード)を手にしたのではないでしょうか。その前に先王フォーティンブラスが、デンマーク王女(女王)ガートルードと婚姻(あるいは婚約)関係にあれば、ハムレット王子は、先王フォーティンブラスとの息子かもしれません。
物語中の現ノルウェー王はフォーティンブラス王子の叔父です。30年前に決闘で死亡した父の同名の息子であれば、ハムレットより年上ですが、ノルウェー王位を継承していないので庶子だと、ブロガーえいいち氏は指摘しています1。フォーティンブラス王子は一貫してデンマーク領有権を主張しています。ハムレットの父が先王フォーティンブラスだとすれば、異母兄の自分にもハムレットと同等またはそれ以上の王位継承権があると考えるのは当然です。ハムレットが今わの際に、フォーティンブラス王子をデンマーク王位の後継者に指名するのも不自然ではありません。
- 88☞1989年『Too Too Solid Flesh』Nick O’Donohoe’s science fiction novel portrays a troupe of android actors designed specifically to perform Hamlet; when the androids’ designer is murdered, the Hamlet android decides to investigate.[77]
- 89☞1996年『The Cowboy Wally Show』In Kyle Baker‘s graphic novel, Cowboy Wally’s masterpiece is the film Cowboy Wally’s HAMLET, a modernized version produced in secret while Wally was in prison. He had planned to film Hamlet professionally, but was jailed for an unspecified offense, before he could cast actors, and so used his cell-mates for the cast.[78]
- 90☞1996年『Infinite Jest』David Foster Wallace‘s novel takes its name from Hamlet’s speech about Yorick, and features a main character struggling with his uncle’s influence following the suspicious death of his father.[79][80]
- 83☞2000年『Gertrude and Claudius』, a John Updike novel. ハムレット王とガードルート王妃の結婚式からクラウディアスとの情事、王を殺害にいたるまでを描きます。[71]
- 84☞2006年『The Dead Fathers Club』(拙訳;父親殺しの会), a novel by Matt Haig, retells the story of Hamlet from the point of view of an 11-year-old boy in modern England.[72]
- 85☞2004年『Something Rotten』Jasper Fforde‘s novel includes Hamlet – transplanted from the BookWorld into reality – as a major character. ミュージカル化されました。[74]
- 91☞2008年『The Story of Edgar Sawtelle』The plot of David Wroblewski‘s novel closely follows the story line of Hamlet, and several of the novel’s main characters have names similar to their corresponding characters in the play.[81]
- 92☞2008年『Hamlet, A Novel』John Marsden‘s Novel is a reinterpretation of the original for young adults. It is set in Denmark and the characters keep their names, their personalities and their functions in the story.
- 97☞2010年『Kill Shakespeare』Prince Hamlet is the main character in the comic book.[90]
- 95☞2013年『To Be or Not to Be』 by Ryan North uses the play as its core, rendering it as a branching narrative based on the Choose Your Own Adventure series and other gamebooks. The reader is able to follow the play’s plot by following the “Yorick Skulls”, or to take it in wildly different directions, including bypassing the story altogether.[88]
- 96☞2016年『Nutshell』Ian McEwan‘s novel retells the play from the point of view of an unborn child.[89] 時代設定は現代。
英文・翻訳
28☞英文
- (オックスフォード版)、”Hamlet“、Ed. by G.R.Hibbard、Clarendon Pr.、1987年、 ISBN 0198129106
- (新ケンブリッジ版)、”Hamlet, Prince of Denmark“、 Ed, by Philip Edwads、Cambridge University Pr.、2003年、ISBN 0521532523
- (アーデン版)、”Hamlet“(Third Series)、Ed. by Ann Thompson & Neil Taylor、2006年、ISBN 1904271332
29☞翻訳本
- 1949年横山有策訳、大泉書店
- 1950年並河亮訳、建設社
- 1953年三神勲訳、河出書房
- 1957年市河三喜、松浦嘉一訳、旧岩波文庫
- 1966年本多顕彰訳、旧角川文庫
- 1996年松岡和子訳、ちくま文庫
- 1967年福田恆存訳、新潮文庫 改版1991年
- 1983年小田島雄志訳、白水社、のち白水Uブックス
- 1998年永川玲二訳、集英社文庫
- 1998年木下順二訳、「シェイクスピア. 5」講談社
- 2001年高橋康也、河合祥一郎(編集)、大修館書店
- 2002年野島秀勝訳、岩波文庫
- 2003年河合祥一郎訳、『新訳 ハムレット』、角川文庫
- 2007年坪内逍遥訳、『ザ・シェークスピア 愛蔵新版―全戯曲』、第三書館
- 2010年安西徹雄訳、『ハムレットQ1』、光文社古典新訳文庫、
解説・評論
- 45☞1996年『ハムレット注釈』久保井一雄、近代文芸社、ISBN 4773351527
- 47☞2004年『ハムレット』大場建治、研究社、ISBN 4327180084
ハムレット自身は父王殺しを直接知る機会はありません。亡霊とか、演劇を見た義父の態度や、義父が苦悩する様子からの推測です。ただ、観客はクローディアスの「兄殺し」という台詞からそれを知っています。筆者はシェイクスピアは敢えてこのようにすることで、観客が主人公のハムレットと同化することなく冷静にその行動を客観視すること狙っていたと解釈します。
1970年『ハムレット―あるいはながき夜は終りて』アルフレート・デーブリーン1、早崎守俊訳、筑摩書房。
アフリカ文化の視点
文化人類学者の奥野克巳氏は、自文化中心主義(ethno-centrism)の講義の際、事例としてアフリカ、ナイジェリアのティワ人によるハムレットの解釈を紹介しています18。
このティワ人はハムレット「呪術に惑わされて長老の意見を聞かない若い人対する教訓の物語」と受け止めたといいます。特徴的な点な考え方としては以下のとおり。
- 先王の死後、弟が王位につくことも(父系)、未亡人となった兄嫁をめとるのも(レヴィラト婚)当然で、何ら道徳的な不都合はない。
- 先王の亡霊やオフィーリアの自殺は本人の意思ではなく呪術によるものである。(不審現象の原因は呪術)
- オフィーリアの兄はパリでの放蕩により金に困っており、死体を売るために妹に呪術をかけた。(呪術をかけられるのは父系のみ)
- 呪術に惑わされ、現在の父を殺そうとして長老(ボローニアス)の意見を聞かず抹殺したハムレットに報いが来たのであり自業自得である。
呪術は父系のみであれ、誰が先王の亡霊を呪術で呼び出したのか不明で、その解釈は紹介されていませんでした。推測するとすれば、ハムレット自身が実父の先王を呪術で呼び出したところ、(潜在意識の影響か)継父の現王が殺害犯人であると亡霊に言われたことに惑わされ、現王に復讐しようとしてしまった、という理解かもしれません。
- ウィキペディア(日本語)ハムレット
- 生きるべきか死ぬべきか。シェイクスピア名作悲劇『ハムレット』のあらすじや名言を紹介2019.08.27
- Wikipedia(English)Hamlet_on_screen
- McKernan, Luke; Terris, Olwen (1994). Walking Shadows: Shakespeare in the National Film and Television Archive. Archive Monographs. 2. British Film Institute Publishing. ISBN 9780851704142.
- Brode, Douglas (2000). Shakespeare in the Movies: From the Silent Era to Shakespeare in Love. Oxford: Oxford University Press. ISBN 9780195139587.
- Rothwell, Kenneth S. (2004). A History of Shakespeare on Screen: A Century of Film and Television. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN 9780521543118.
- ウィキペディア(日本語)ハムレット(1990年の映画)
- Wikipedia(English)Hamlet(1990film)
- ESPAD(Europian School Surevey Project on Alcohol and other Drags
- デンマークの飲酒事情By ワーホリニュース編集部 -2015年1月8日
- Willis, Susan (1991). The BBC Shakespeare Plays: Making the Televised Canon. Chapel Hill, NC: University of North Carolina Press. ISBN 9780807843178.
- The Shakespire and film microblog
- Holden, Stephen (17 August 2001). “And Who Knew That Shakespeare Was a Southern Author?”. The New York Times. p. E00008
- Wikipedia(English)Ophelia (2018 film)
- えいいちの話ANNEX>「ハムレット」を解く(1) ガートルードとは誰か?2010-05-24 23:55:38
- ウィキペディア(日本語)エリザベス1世
- えいいちの話ANNEX>「ハムレット」を解く(4) 姫宮アンシーの復讐、なんですよ。
- 2016年度 文化人類学(独研)グローバル文化研究特講B(新専攻科目)奥野 克巳>第6回 異文化理解
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