微妙なニュアンスを持つ世界の単位を集めた絵本です。『翻訳できない世界のことば』が大ヒットしたので、同じテイストの絵本が、同じ出版社から出されました。その中からいくつか紹介します。
【カラット】イナゴマメ(ギリシア語でケラーティオン)1個の重さ。20世紀初頭に200mgに定められ、いつの間にか宝石の単位になりました。
語源は、ギリシャ語のkeration(イナゴマメ)の他、アラビア語のquirrat(デイゴ)という説もあります1。表記はCt。
宝石だけでなく金の純度を示すのにもつかわれます2。日本では、18K、24Kと書きますが、日本では18金や24金と呼ばれることもあります。
【ユカワ】ノーベル賞受賞者、湯川秀樹にちなんだ、原子物理学で使う長さの単位。10-13㎝をあらわします。
10-15mと表記されている場合もありますが、長さは同じですね。フェルミ (fermi) 同じ単位で、フェルミ推定のエンリコ・フェルミにちなんでロバート・ホフスタッターが導入しました。両方とも現在はほとんど使われず、国際的に定めた国際単位系(SI;Système International d’unités)では、フェムトメートル(femtometre)が使われます2。ちなみに、世界共通で利用する長さの単位を目指したメートル法2が、フランス発案であることがらSIはフランス語に由来しているそうです2。
ユカワを命名したのは誰だろう。湯川博士にちなんでいるので本人ではないはずだけど。
【カッツエンシュップルング】ドイツの距離、あるいは面積の単位。意味は「猫のひと跳び」です。
デスクから紙屑かごまで、約3ねこぴょん。ビミョーな距離を、投げ入れて入るか、ちゃんとそこまで行くべきか。悩むなあ。
- 小谷太郎 『図解雑学 単位と定数のはなし』 ナツメ社。
- ウィキペディア(日本語)カラット
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