『エリザベス』1,2は、1998年公開のイギリス映画。
エリザベス1世女王の即位(1558年25歳)からドレフェス事件に関与したとしてノーフォーク公らが処刑された頃(1572年39歳)までを29歳のケイト・ブランシェットが演じます。
- アカデミー賞 メイクアップ賞
- ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)(ケイト・ブランシェット)
- 英国アカデミー賞
- 主演女優賞(ケイト・ブランシェット)
- 助演男優賞(ジェフリー・ラッシュ;ウォルシンガム卿役)
- 作曲賞(デヴィッド・ハーシュフェルダー)
- 撮影賞(レミ・アデファラシン)
- メイクアップ&ヘアー賞
- 英国作品賞
- 放送映画批評家協会賞
- 主演女優賞(ケイト・ブランシェット)
- ブレイクスルー賞(ジョセフ・ファインズ;ロバート・ダドリー役)
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』1は、同じスタッフ、キャストで2007年に公開された続編。その後1585年(52歳)までののエリザベス1世女王を38歳になったケイト・ブランシェットが演じます。
- アカデミー賞 衣装デザイン賞
『エリザベス』
———キャスト
エリザベス1世;ケイト・ブランシェット(この映画『エリザベス』にて米国アカデミー賞ノミネート、英国アカデミー賞・ゴールデングローブ賞 主演女優賞。『ブルージャスミン』2013年にて英・米アカデミー賞、ゴールデングローブ賞 主演女優賞、『シンデレラ』トレメイン夫人役、『キャロル』2015年、『オーシャンズ8』などに出演)
メアリー1世;キャシー・バーグ1(この映画公開の前年1997年に『ニル・バイ・マウス』(ゲイリー・オールドマンの監督デビュー作)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。)
メアリー・オブ・ギース;ファニー・アルダン1(『ペダル・ドゥース』でセザール賞最優秀女優賞、『リディキュール』、『8人の女たち』などに出演)
ロバート・ダドリー;ジョセフ・ファインズ1(この映画および『恋におちたシェイクスピア』のシェイクスピア役で放送映画批評家協会賞や全米映画俳優組合賞なども受賞。『ヴェニスの商人』などに出演)
ウィリアム・セシル;リチャード・アッテンボロー1(アカデミー賞受賞『ガンジー』監督、ミュージカル『コーラスライン』監督)
アンジュー公;ヴァンサン・カッセル1(『ジャック・メスリーヌ』2008年にてセザール賞最優秀男優賞、『オーシャンズ12』、『オーシャンズ13』、『ブラック・スワン』、『美女と野獣(実写版)』、『五日物語』などに出演)
ジョン・バラード司祭;ダイニエル・グレイグ1(007シリーズ6代目ジェームズ・ボンド、『ドラゴン・タトゥーの女』などに出演)
ケイト・ブランシェット『シンデレラ』ケネス・ブラナー監督のディズニー実写版(2015年)
継母トレメイン夫人をケイト・ブランシェット、フェアリー・ゴッドマザーをヘレナ・ボナムカーターが演じました。
ケイト・ブランシェット『オーシャンズ8』ヘレナ・ボナム・カーター、サンドラ・ブロック、アン・ハサウェイらと共演。
リチャード・アッテンボロー『ハムレット』ケネス・ブラナー監督・主演
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』
———-キャスト
エリザベス1世役;ケイト・ブランシェット
フランシス・ウォルシンガム役:;ジェリー・ラッシュ
ウォルター・ローリー役;クライヴ・オーウェン
メアリー・スチュワート役;サマンサ・モートン
———エリザベスへの求婚者
スペインのフェリペ2世3
カトリック大国フランスとの対抗から、27歳の時に38歳のイングランド女王メアリー1世と結婚し、王配としてイングランドの宮廷にやってきました。当時21歳のエリザベスに求愛していたとかエリザベスが誘惑していたなどの説もあります。
その真偽は定かではありませんが、メアリー1世との嫡子が生まれない可能性が高まると、フェリペ2世(スペイン)系のイングランド継承権も低くなるので、次に王位継承権を持つエリザベスに接近することは政治的判断とも言えます。メアリー1世が崩御した後、エリザベス1世に求婚しています。
ただ、カトリックのフェリペと反カトリックのエリザベスでは、信条的にも支持勢力的にも相いれないところがあります。また、エリザベスの父ヘンリー8世は、兄嫁であることを理由に、メアリー1世の母キャサリン・オブ・アラゴンと離婚し、カトリックから破門されました。エリザベスは、その後に再婚したアン・ブーリンとの子なので、義理の兄と結婚することは出自の正当性を否定することに繋がります。
スウェーデンのエリク14世4
バルト海域1をデンマークと争っていたスウェーデンは、イングランドやスコットランドと組んでデンマークを挟み撃ちにしたいと考えていました。エリザベス1世だけでなくスコットランドのメアリー女王にも求婚しています。
オーストリア大公カール2世1
神聖ローマ帝国フェルディナンド2世の3男1。エリザベスより31歳年下ですが、フランスとスペインを抑える視点では互いの国に益がありました。スペインのフェリペ2世の従兄弟にあたります。
ロシアのイヴァン雷帝1
イングランド交易を重要視していたロシア側は、同盟の強化を切望していましたが、イングランドにとっては魅力のないものでした。イングランド側の求婚黙殺に対して、冷酷な暴君であることから雷帝ともよばれていた(英語ではIvan the Terrible5)イヴァン4世が激怒し、使者のトマス・ランドルフが苦労したものの、最終的にはイングランド側の外交勝利の結果となりました6。
———バビントン事件
バビントン事件(Babington Plot)7は、1586年のエリザベス1世女王の暗殺計画。カトリック国スペインのや教皇の後押しを得て、カトリックのメアリー女王をイングランド女王の座につけるために、エリザベス1世女王を暗殺する実行犯としてアンソニー・バビントンというイギリス国教反対派の若者が、イエズス会の宣教師ジョン・バラードに雇われました。
➡イエズス会1は、軍隊出身の騎士イグナチオ・デ・ロヨラやフランシスコ・ザビエルらによって創設され、「教皇の精鋭部隊」とも呼ばれるほど、教皇第一主義の男子カトリック修道会です。
➡しかし、エリザベスの秘密警察長官ウォルシンガムのスパイが参画しており、充分な証拠品がそろった上で計画が明るみにされ、関係者は処刑されました。
➡バビントンから計画を打ち明けられて暗殺計画を歓迎すると署名したメアリー女王の手紙は、彼女を有罪にする証拠品となりました。
実際は、事前に発覚したので、映画のように暗殺実行(未遂)までには至っていません。
アンソニー・バビントン役;エディ・レッドメイン8、2016年大英帝国勲章OBE受章1
(Amazonリンク)『エリザベス1世 愛と陰謀の王宮 (DVD)』2005年TVドラマ 9
第3代サウサンプトン伯爵ヘンリー・リズリー[/note]ヘンリー・リズリー10役(エリザベス役;ヘレン・ミレン)
(Amazonリンク)『ブーリン家の姉妹(字幕版)』2008年 (サイト内リンク『The Other Boleyn Girl』)
メアリー夫ウィリアム・スタフォード役(メアリー役;スカーレット・ヨハンソン)
(Amazonリンク)『マリリン・7日間の恋(字幕版)』2011年
コリン・クラーク役
(Amazonリンク)『レ・ミゼラブル(字幕版)』2012年
マリウス・ポンメルシー役(主人公の娘の恋人)
(Amazonリンク)『博士と彼女のセオリー(字幕版)』2015年
主人公ホーキング博士役(アカデミー賞・ゴールデングローブ賞の主演男優賞)
(Amazonリンク)『リリーのすべて(字幕版)』2016年 (サイト内リンク『二十世紀イリュストレ大全』)
リリー・エルベ役(アカデミー賞主演男優賞にノミネート)
- ウィキペディア(日本語)エリザベス(映画)
- Wikipedia(English)Elizabeth(film)
- ウィキペディア(日本語)フェリペ2世(スペイン王)
- ウィキペディア(日本語)エリク14世(スウェーデン王)
- Wikipedia(English)Ivan The Terrible
- 川又一英著『イヴァン雷帝 ーロシアという謎ー』新潮選書、1999年5月30日
- Wikipedia(English)Babington Plot
- ウィキペディア(日本語)エディ・レッドメイン役、2014年『博士と彼女のセオリー』スティーブン・ホーキング役(ハリウッド・フィルム・アワード – ブレイクアウト男優賞、第72回ゴールデングローブ賞・主演男優賞(ドラマ部門)、第21回全米俳優組合(SAG)賞・主演男優賞、第87回アカデミー賞・主演男優賞)、2015年『リリーのすべて』アイナ・ヴェルナ/リリーエルベ役(第88回アカデミー賞・主演男優賞ノミネート、第73回ゴールデングローブ賞・主演男優賞(ドラマ部門)ノミネート)。2003年ケンブリッジ大卒1The New Guard: Eddie Redmayne
- ウィキペディア(日本語)エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜 Elizabeth I
- ウィキペディア(日本語)ヘンリー・リズリー(第3代サウサンプトン伯)
コメント