シェイクスピア4大悲劇×99

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シェイクスピア4大悲劇×99

ハムレット(Hamlet、1600 – 01年)

(サイト内リンク)☞ハムレット991

☞オセロ(Othello、1604年)

234

オセロ:妻が密通していると疑い嫉妬する主人公。ベニスのムーア人の将軍。
デズデモーナ5:オセロの妻。ギリシア語で「不運な」という意味
ブラバンティオ:デズモーナの父、グラティアーノ:ブラバンショーの兄弟、
ロドビコ:グラティアーノの息子
イアーゴ:オセロの部下、エミリア:イアーゴの妻でデズモーナの召使
ロドリーゴ:デズモーナに恋するベニスの放蕩児
モンターノ:キプロス元総督
カシオ:酒癖の悪いオセロ将軍の副官、ビアンカ:カシオの愛人

———-映像化作品

10☞1995年『オセロ』6

イアーゴ役:ケネス・ブラナ(下記70☞2018年『シェイクスピアの庭』など)
デズデモーナ役:イレーヌ・ジャコブ(『ふたりのベロニカ』でカンヌ映画祭女優賞)
オセロ役:ローレンス・フィッシュバーン出演。
ビアンカ役:Indra Ové7(イギリス生まれの女優ですが、ル-ツは黒人やインド人の多いトリニダード・ドバゴ8で、父はブラック映画をリードする監督です。“ビアンカ”9はイタリア語で“白”を意味する語源の名前ですが、あえて有色人種を配役しているのかもしれません。)

(サイト内リンク)ケネス・ブラナー監督・出演映画
『ハムレット』クローディアス王(ケネス・ブラナー監督)
☞『シンデレラ』王(ディズニー実写版、ケネス・ブラナー監督)
Fire and brimstone.(字幕「地獄の火に焼かれろ」) 妻にカシオの口添えをされたオセロの独白
(サイト内リンク)60☞BRIMSTONE第1章 啓示 黙示録 fire and brimstone

11☞2001年『O10,1112メキ・ファイファージュリア・スタイルズジョシュ・ハートネット出演。舞台は現代のアメリカのハイスクール。登場人物の名前も原作をアレンジ。

オーディン(オセロ)、ヒューゴ (イアーゴ)、デイジー・ブラブル(デズモーナ)、ロジャー(ロドリーゴ)、マイケル・カシオ(ミカエル・カシオ英語綴り同じ)、エミリー (エミリア)、デューク・ゴールディング(ベネチア公(duke=公爵)、ボブ・ブラブル (ブラバンティオ)、ブランディ(ビアンカ)

14☞2018年オセロさん

———-「オセロ」を元にした音楽作品

猫の二重唱Duetto buffo di due gatti (“humorous duet for two cats”) は、歌詞は全て猫の鳴き声で、ロッシーニのオペラ『オテロ』からのアレンジと言われています。13
76☞Kiri Te Kanawa & Norma Burrows | Rossini’s Cat Duet キャスリーン・バトル
61☞Duetto buffo di due gatti – attrib. G. Rossini, likely compiled by R. L. Pearsall
87☞Miau Miau Miau (Duetto buffo di due gatti – G. A. Rossini)少年聖歌隊
82☞Dueto de los gatos, Rossini – Les Chanteurs du Lycée 学生合唱団
62☞Duetto buffo di due gatti – Gioacchino Rossini バリトン・テノール二重唱
63Affabre Concinui – Duetto Buffo Di Due Gatti 男性アカペラ
64☞Duo des chats, Rossini T. Mébarki (contre-ténor) G. Alonso (Mezzo) 男女二重唱

———-「オセロ」に由来して命名された事物

———-日本語訳

(インターネットアーカイブ)
28☞坪内逍遥訳『オセロー底本:新修シェークスピヤ全集第二八卷,中央公論社,昭和十年四月一日印刷,昭和十年四月十日發行。

———-評論

32☞『「オセロー」における言葉と想像力』和田 侑子
筆者は、「ロミオとジュリエット」などと違い、主人公のカップルの恋において容姿は重要ではないと同時に、言葉と想像力がこの悲劇に重要な役割を果たしたと主張しています。ベネチア女性が体験できない未知の世界の経験を語る言葉によって「魔法」にかけて結婚したオセロが、奸計をたくらむイアーゴの言葉の「魔法」にかけられ妻の不貞を信じてしまう様子を、具体的な表現を抜き出しながら分析しています。

『リア王』(King Lear、1605年)

———-映像化作品

55☞2018年『アンソニー・ホプキンズのリア王15BBC製作、オペラ演出家リチャード・エア監督。軍事政権風の現代を架空の舞台としています。
リア王役アンソニー・ホプキンズ(65☞『ハワーズ・エンド』66☞『日の名残り』67☞『ファーザー』など)16
長女ゴネリル役エマ・トンプソン(『ハワーズ・エンド』『日の名残り』68☞『クルエラ』など)
次女リーガン役エミリー・ワトソン(69☞『奇跡の海』70☞『ベル ある伯爵令嬢の恋』など)17
33☞2015年『ドレッサー18BBC製作、リチャード・エア監督。リア王を演じる老いたシェイクスピア俳優と衣装係を描く演劇のドラマ化。
俳優役アンソニー・ホプキンズ 認知症の症状になやむが夜の公演を務める「サー」
衣装係役イアン・マッケラン(74☞『リチャード3世』など)俳優を世話し鼓舞するスタッフ。
俳優の内妻役エミリー・ワトソン 夜の公演の延期を考える女優「レディシップ」
1983年の映画に出演したエドワード・フォックスが別役でこの映画にも出演しています。
(サイト内リンク)リチャード・エア演出作品
メトロポリタン歌劇場 71☞『フィガロの結婚』79☞『カルメン』80☞『マノン・レスコー』など
81☞リチャード・エア監督作品『あるスキャンダルについての覚書』
(サイト内リンク)『リア王』の道化師を題材にした作品
02☞韓国史映画>22年目の記憶

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オペラ化

  • 97☞1978年『リア王』アリベルト・ライマン作曲。同年7月9日、ライマンに作曲を勧めたディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを題名役としてミュンヘンのバイエルン州立歌劇場で初演。
  • 98☞1998-99年『リア王』フィンランドの作曲家アウリス・サッリネンが同名の歌劇を作曲。マッティ・サルミネンをタイトル・ロールとして、2000年9月15日ヘルシンキのフィンランド国立オペラでオッコ・カムの指揮で初演。

『マクベス』(Macbeth、1606年)

映像化作品

01☞『マクベス2.0 狂気の暴走』(2019)現代を舞台に、新鋭企業ブラックミスト社内で上司ダンカンを殺害するマクベス部長と、子のない妻に置き換えたホラー。原題はThe Red Letter /STAINED19
ダンカンの甥マルコムは非常勤として会社で働いています。マクベスを追うのはマグダフ刑事。目撃者の同僚バンクォーは姉とその子と一緒に殺害されます。
「The red letter」は、英語で「赤い文字」という意味があります。この映画の副題が「The red letter」となっている理由は、明確にはわかりませんでした。しかし、この表現は、キリスト教の歴史において、罪を犯した人々を示すために使用されてきたことがあります。「The red letter」は、罪を犯した人々を示すための表現として使われているのかもしれません。
また、アメリカの小説家ナサニエル・ホーソーンは小説「The Scarlet Letter」で、主人公が不倫を犯した罪で「A」という赤い文字を胸につける架空のルールを設定しました。20

72☞音もなく少女は (文春文庫), Boston Teran (原名)5つ星のうち4.2 / 46個の評価
主人公の少女が自分の手に刻んだ「A」という文字は、ホーソンの『緋文字』に登場する「A」に由来し、自分自身を罰するためのものであり、自己嫌悪や罪悪感を表しています。

73緋文字 (光文社古典新訳文庫)ホーソーン (著), 小川 高義 (翻訳) 5つ星のうち4.3/ 48個の評価
▶著者は、マサチューセッツ州のセイラムに生まれ、父方の祖先である初代ウィリアム・ホーソーンはクエーカー教徒迫害に関与し、二代ジョン・ホーソーンはセイラム魔女裁判の判事を務めており、また、母方の祖先であるニコラス・マニングの姉達が近親相姦の嫌疑をかけられ迫害されると言う過去を持つため、善と悪や罪を扱った宗教的な内容の作品が多い21といわれています。
Adultery(姦通)、Adulteress(姦通者)、Angel(天使)、Alienation(孤立)、Ashamed(恥じて)、Antinomian(神の恩寵を重視して法律などを無視した信仰至上主義者)、Able(有能な)、Arther、American Woman

ウィリアム・セシル卿の子ロバート・セシル卿(パブリックドメイン)

(2.広場)治安判事の気性の激しい未亡人、老ヒビンズ夫人

ボストン治安判事未亡人のAnnHibbinsは、セイラム魔女裁判(1688年~93年)22より前の1656年に魔女のかどで死刑になっています。

(6.パール)彼女の心が本当に安らぐのは、子供が静かに眠っている時だけだった。そのときはじめて彼女はパールをわが子と感じ、静かで、悲しく、甘美な幸せを味わった。

(8.妖精の子と牧師)ジェームズ王朝期の、今はすたれた流行を思わせる末ひろがりの手のこんだひだえりのうえに、白髪まじりのあごひげが垂れさがり、そのため総督の首は大皿にのせられた洗礼者ヨハネの首にいかにも似ていた。

(サイト内リンク)サロメ×99

ハンス・ブルクマイアー作の木版画(1523年)。マルティン・ルターが1534年に翻訳した新約聖書にて。

(8.妖精の子と牧師)当然緋色の女、例のバビロンの女の典型でなければならない。
訳注:聖書をよく読むのをならいとした当時の為政者が「緋色」の衣装を身につけたパールを見て、ただちに「緋色の女」を連想したことに不思議はない。

ヨハネの黙示録に、娼婦や堕落した女の象徴として“大淫婦バビロン(Babylon the Great)”または“バビロンの娼婦(Whore of Babylon)”23が登場します。「彼女は紫色や緋色で着飾り、金や宝石やパールで飾りたて、手には不道徳や姦淫の汚らわしさに満ちた金杯を持っていました。 (the woman was arrayed in purple and scarlet colour, and decked with gold and precious stones and pearls, having a golden cup in her hand full of abominations and filthiness of her fornication)」と述べられています。
(9.医者)植民地では腕のたつ内科医や外科医はまれであった。医者が宗教的情熱にうながされて大西洋を渡る事例はめったになかったからである。
(サイト内リンク)BRIMSTONE

———-オペラ、クラシック音楽

  • 83☞『マクベス』ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した全4幕のオペラ。
  • 84☞『マクベス』リヒャルト・シュトラウスが作曲した交響詩。
  • 85☞『マクベス』サルヴァトーレ・シャリーノが2003年に作曲したオペラ。
  • 92☞『オペラ クラブ・マクベス』:オペラシアターこんにゃく座のオペラ。高瀬久男台本・演出(初演時)。マクベスが上演されているクラブが舞台となる。

↓(メトロポリタン歌劇場アーカイブより 2014年上演ヴェルディ作曲Adrian Noble演出版)Macbeth_0727.jpg

———-翻案など

ムツェンスク郡のマクベス夫人

  • 86☞『ムツェンスク郡のマクベス夫人』: ニコライ・レスコフ24による小説。
    19世紀のヨーロッパ社会における女性に期待される従属的な役割、姦通、地方の生活(したがってフローベールのボヴァリー夫人と比較される)、女性による殺人の計画があり、シェイクスピアのキャラクターであるマクベス夫人に触発されたタイトルです彼の戯曲マクベスから。タイトルは、ツルゲーネフの物語「シグロフスキー地区のハムレット」(1859年)のタイトルも反映しています。27(1932)上記の小説をもとにドミートリイ・ショスタコーヴィチ28が作曲したオペラ。
(サイト内リンク)The METropolitan Opera×99>ショスタコーヴィチ『鼻』
  • 96☞『シベリアのマクベス夫人』: 同じく上記の小説をもとにしたアンジェイ・ワイダ監督による映画。
56☞レディ・マクベス(2016)「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の映画化。ウィリアム・オルドロイド監督。

悪女の深情けまたは抑圧。エンディングテーマ音楽が流れず、鳥の声のみであるのが印象的。

その他

イギリスの演劇関係者の間には、劇場内で『マクベス』の名を口にすると災いが起きるというジンクスがあり、いまでも本作を「The Scottish play」と呼びかえる者もいるとか。

  • 88☞『NINAGAWAマクベス』(1980年初演の舞台劇):蜷川幸雄の演出により、内容・せりふ(日本語)・登場人物名は原作のまま、舞台だけを日本の安土桃山時代に移して演じられた。
  • 90☞『メタルマクベス』 :劇団☆新感線の舞台。
  • 91☞『壌歌』(詩集 1969年刊) :西脇順三郎による長編詩集。マクベスにならい、全体が5部構成となっている。また、作中にマクベスを典拠にした詩句がある。
  • 92☞『バンパイヤ』手塚治虫が1966年から1967年まで約1年間にわたって『週刊少年サンデー』に連載した漫画。動物に変身する人間が登場するSF風の作品であるが、主役格の間久部緑郎(まくべろくろう)の名前や、彼に悪事をそそのかす3人の魔女然とした占い師、さらに「あんたは王者になる。人間にも、人間でないものにもやられない」という予言などの設定が『マクベス』を想起させる上、実際に手塚自身、秋田書店刊行(1968年初版)の単行本で、本作が『マクベス』をもとにしたものであると記している。
  • 94☞『響きと怒り』 (The Sound and The Fury) ウィリアム・フォークナーの小説。タイトルは、『マクベス』8の第5幕第5場におけるマクベスのセリフ「人生はしょせん歩く影、憐れな役者/……/白痴の語る物語、響きと怒りに満ちてはいるが/何を意味するわけでもない」から引用したものである。

リベンジャー 復讐のドレス(2015)原題:The Dressmaker(オーストラリアのコメディ映画)イギリス人のケイト・ウィンスレット29(『いつか晴れた日に』『タイタニック』『愛を読むひと』など)主演。30

The Dressmaker (Rosalie Ham (著)) 5つ星のうち3.6 /8,419個の評価31
2000年に出版された、オーストラリア人の作家ロザリー・ハム(1955年生まれ)32による原作。各章には、ギンガム、シャンタン、フェルト、ブロケードなど生地の名前がつけられています。トリニティカレッジ財団研究文学論文の中でホードリーは、小説のクライマックスをシェイクスピアの悲劇マクベスと比較し、登場人物の運命とダンガタールの人々が参加するマクスの演劇に言及しています。33
(ロザーリーハムのその他の作品作品)
Summer at Mount Hope (2005)
There Should be More Dancing (2011)
The Year of the Farmer (2018)
The Dressmaker’s Secret (2020)

評論など

72☞2008年『シェイクスピアのたくらみ』 (岩波新書) 喜志 哲雄 (著)星4.0(8個の評価)
オセローは嫉妬の悲劇ではない。ヴェニスという白人社会の中のムーア人という異質なもの=よそ者であるが、トルコとの戦争に対して有能な軍人であるオセローを排除することができません。それでも73☞『ヴェニスの商人』のユダヤ人シャイロックは見た目からは明白でないかもしれないが、オセローは自分自身が常にそれを意識し続けながら行動せねばならない悲劇であると述べています。

 

  1. ウィキペディア(日本語)ハムレット
  2. ウィキペディア(日本語)オセロ_(シェイクスピア)
  3. ウィキペディア(日本語)
  4. Wikipedia(English)Othello
  5. ウィキペディア(日本語)デズデモーナ
  6. ウィキペディア(日本語)オセロ_(1995年の映画)
  7. Wikipedia(English)Indra_Ové
  8. ウィキペディア(日本語)トリニダード島
  9. ウィキペディア(日本語)ビアンカ
  10. ウィキペディア(日本語)O(映画)
  11. Wikipedia(English)O(film)
  12. ウィキペディア(日本語)
  13. 松平敬Wdbsite » 作品分析&演奏法 » 伝ロッシーニ《猫の二重唱》の正体
  14. ウィキペディア(日本語)ローレンス・オリヴィエ
  15. リア王 (2018年の映画) – ウィキペディア (wikipedia.org)
  16. アンソニー・ホプキンス – Wikipedia
  17. エミリー・ワトソン – Wikipedia
  18. The Dresser (2015 film) – Wikipedia
  19. The Letter Red (2019) – IMDb
  20. 緋文字 – Wikipedia
  21. ナサニエル・ホーソーン – Wikipedia
  22. セイラム魔女裁判の年表 – Wikipedia
  23. Whore of Babylon – Wikipedia
  24. ニコライ・レスコフ – Wikipedia
  25. Lady Macbeth of the Mtsensk District (novella) – Wikipedia25
  26. (サイト内リンク)ボヴァリー夫人

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