微妙なニュアンスをもつ世界の言葉を集めた本です。その中から選んで、使ってみました。
【Commuovere】コンムオーベレ。イタリア語の動詞。涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる。
最近みた映画? 結構というか以外と『ボヘミアン・ラプソディ』コンムリオーベレッたなあ。
【Kilig】キリグ。タガログ語の名詞。おなかの中に蝶が舞っている気分。たいてい、ロマンチックなことや、すてきなことが起きた時に感じる。
うわっ、どうしよっ。まさかのデートOK♪ うわっ、俺ヤバ、超キリグ。ヤベエ~www。
【Kummerspeck】クンマーシュペック。ドイツ語の名詞。直訳すると「悲しいベーコン」。食べすぎがつづいて太ること。
あけましておめでとうございます。今年の休み中はどこへも出かけず御馳走ざんまいでゴロゴロして、クンマーシュペックになってしまいました。トホホ。
【Akihi】アキヒ。ハワイ語の名詞。誰かに道を教えてもらい、歩き始めたとたん、教わったばかりの方向を忘れたとき、「AKIHIになった」という。
最近、歳なのか、いやホント物覚えが悪くって。てか何でもすぐ忘れちゃう。どこへ行っても、すぐアキヒになるのよお。
【Naz】ナーズ。ウルドゥー語の名詞。だれかに無条件に愛されることによって生まれてくる、自信と心の安定。
結婚したらナーズが得られるのではないかと、婚活を頑張る君。ちょっと違うんじゃないかな。
【Saudade】サウダージ。ポルトガル語の名詞。心の中になんとなくずっと持ち続けている、存在しないものへの渇望や、または、愛し失った人やものへの郷愁。
ポルノグラフィティの曲にもあったな。1
【Waldeinsamkeit】ヴァルトアインザームカイト。ドイツ語の名詞。森の中で一人、自然と交流するときにゆったりとした孤独感。
森林浴の研究は日本が進んでいます。森林浴は身体や精神によい影響を与えることがわかっていますが、ドイツでも森林浴のかわりにヴァルトアインザームカイトを楽しむとすれば、それが心身に与える影響についての研究がありそうですね。舌を噛みそうです。
その他、日本語のBOKETTO、WABI-SABI、TSUNDOKU、KOMOREBIなども掲載されています。
作者エラ・フランシス・サンダースは『翻訳できない世界の言葉』原著名;Lost in translationで絵本デビューしました。
ホームページ2には「現在のところ」猫と一緒にロンドン在住とあり、本の著者略歴にも「さまざまな国に住んだことがあり、一番最近ではモロッコ、イギリス、スイスなど」と記されていますので、所属国籍や在住国で〇〇国人とレッテルを貼られることに抵抗があるタイプなのかもしれません。
特定の視点ではなく地球人・世界人として俯瞰的な視点でものごとを見たいという気持ちのあらわれとも考えられます。
翻訳者の前田まゆみのインタビューには、日本での出版にあたって書体に苦労したことや、表紙デザインを変更したことなどが紹介されています3。
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