今日は何の日?ビジネスモデル

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国として制定されている記念日1は国民の祝日以外も含めて全部で50以上あります。

民間で制定されている記念日の多くは日本記念日協会で2認定されています。認定登録料は1年に1日なら10万円、1年に2日なら17万円、1年に3日なら20万円、1年に12日以上(毎月8のつく日、〇〇月間など)は要相談、5年毎に登録確認となっています。
2017年は1800件以上の登録があるとのことなので、1991年の協会発足以降、1憶8千万円以上の売上となります。2015年には年間150件以上の登録を行っている3とのことなので、新規登録で年間1500万円の売上。(5年の更新に登録料が必要かどうかはウェブサイトには掲載されていませんが、もしそうなら、年間3千600万円) 最近は記念日の聖地の登録も25万円ではじめたようです。

協会の住所は長野県となっており代表者は加瀬清志という人。売れっ子の放送作家だった加瀬氏がワイドショーなどのネタに困った時に話題に使ったのが記念日。

 必要に迫られ蓄積していった記念日の知識は、やがてテレビ業界で有名になっていった。「記念日のことなら、加瀬に聞け」と口コミが広がり、業界関係者からさまざまな問い合わせが入るようになったという。
「気になる人は数多くいるのに、日本には記念日のデータベースというものが存在しなかったんですよ。『それなら自分がやろう』と。協会を作って記念日情報の管理を始めました」[3a]

加瀬清志かせきよし(1953年2月16日生まれ)の本の例 4

  • すぐに役立つ366日記念日事典  2013年 加瀬 清志 (著), 日本記念日協会 5
  • 季節の小道具―記念日歳時記 単行本 – 2010/5/1 加瀬 清志 (著) 6
  • 信州検定参考問題集 新書 – 2006/2 加瀬 清志 (著), 市川 健夫 (監修)7
  • 雑学・日本なんでも三大ランキング (講談社プラスアルファ文庫) 文庫 – 1997/9 8

同協会の関連団体として「記念日文化研究所9」も設立されており、こちらは記念日を利用したビジネスのマーケティングに関する研究やコンサルティングが中心です。例えば

2018年の「母の日」の推計市場規模は前年比約3%増の約1170億円。昨年の約1135億円から約35億円の増加と推計される。10

と推計し、その理由として、①母親自身の自分にご褒美が増えた、②ひとりの母親へのプレゼントの単価が上がった、③義理も含めた「母親人口」は増えている。ただ、伸び率がわずか3%であることを、そもそも「母の日」に関心がない人が増え、家族関係の希薄さが表れているのかもしれない。と分析しています。

他にウィキペディアのサイトからは、2013年に設立された「一般社団法人 日本記念日評議会」という団体のリンクが掲載されていますが、現在ウェブサイトにアクセスできません。Buzip+東京には理事長の又吉教太氏の写真とコメントが掲載されています。11
「地域のコミュニティを支援したい」との理念を表明されていますが、加瀬清志氏の日本記念日協議会の模倣の感は否めないし、活動しているのかどうかもわかりません。後発は先発業界№1シェアの団体と差別化を図ることが戦略セオリーですが、そのような戦略も見られないようです。個人的に特定の団体の認定だけに設立された、特別な目的のための組織なのかもしれません。
又吉教太氏は、2018年3月に「株式会社AA(エーシーズ)12」という会社を設立されていて「RERAISE(リレイズ)」という若手You Tuberを集めたクリエーターズサイトを運営しています1314。資本金は資本準備金15を含めて15,499,994円ということですから、そこそこ大規模な印象を与えるために金額を大きくし、新しい会社なのでイザという時のリスクも考えて資本準備金の割合を増やしているとも推測できます。創設者以外にもクリエーターや関係者に出資金を募り、万一、解散となった場合にも還元しやすいようにしているのかもしれません。若手経営者として今後注目していきたいと思います。


  1. ウィキペディア(日本語)
  2. 一般社団法人日本記念日協会
  3. 【知ってた?】「記念日マーケティング」驚きの効果とは?――あらゆる記念日の認定登録を行う日本記念日協会に聞いた[3a]↲
  4. 誕生日データベース 加瀬清志
  5. すぐに役立つ366日記念日事典[改訂増補版] 単行本 – 2013/12/19  加瀬 清志 (著), 日本記念日協会 (編集)
  6. 季節の小道具―記念日歳時記 単行本 – 2010/5/1  加瀬 清志 (著)
  7. 信州検定参考問題集 新書 – 2006/2 加瀬 清志 (著), 市川 健夫 (監修)
  8. 雑学・日本なんでも三大ランキング (講談社プラスアルファ文庫) 文庫 – 1997/9
  9. 一般社団法人 日本記念日協会 記念日文化研究所
  10. 2018年の「母の日」の推計市場規模は前年比約3%増の約1170億円
  11. Buzip+東京 一般社団法人日本記念日評議会
  12. AAinc.
  13. RERAISE(リレイズ)
  14. インフルエンサープロダクション「RERAISE(リレイズ)」に4名の人気クリエイターが新規所属!
  15. 会計の知恵袋 資本準備金とは?計上するメリットと資本金との違いは

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