ITプロジェクトにおけるリスク審査

Yukipedia

「上級PMによる全社リスク審査~運用の確立、これまでの取り組み~」

株式会社NTTデータアイ 鶴山登美子,プロジェクトマネジメント学会誌 117号Vol.21,No.4,2019年8月15日

論文より一部(図表)抜粋、内容は筆者まとめ一部表現を改変

リスク審査時期

リスク審査開催手順

(10営業日前)プロジェクト特性、規模、期間、概算費用などから、リスク審査担当(2名)を事務局が選出し依頼。
(1週間前)日程調整
(2営業日前)審査資料送付
(開催日)リスク審査会議
—1.QCD報告(約30分)
—2.審査人による確認と回答(約80分)
リスクの定性・定量分析
QCDに対する影響等
対応体制、責任担当、エスカレーション等
—3.まとめと今後のスケジュールなど確認(約10分)
(翌2営業日以内)審査担当者所見
(翌3営業日以内)アクションプラン管理表および議事録

リスク審査担当者

2人のうち、
一人は、審査経験のあるプリンシパルおよびエグゼクティブのレベルが審査人に任命されるが、
もう一人は、エグゼクティブPM候補者が新人として選出され、
プロジェクトの開始から終了まで一貫して同じ審査人が担当。

よくある指摘事項

  • 根拠が不明確な、裏付けのない見通しや思い込みの判断。
  • 誰が、いつまでに、何を、どのように取り組むのか、
    その情報および結果を、誰と、どのように記録し共有するのか、
    方針および期限が不明確

実施効果

制度導入開始した2009年度以降、プロジェクトの原価率増加は抑止され、(社内基準による)問題プロジェクトは未発生。2015年以降の顧客満足度調査は向上

リスク審査担当者として選出された上級PMの育成や、プロジェクト終了後まで続く現場のPMや審査担当者との信頼関係(師弟関係)の構築の場。

現場のPMは、個別リスクに目が行きがちであるが、審査担当者は全体リスクの視点も指摘。

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