『舌を抜かれる女たち』メアリー・ビアード
第1部 女が発言すること
『オデュッセイア』では青二才の息子(テレマコス)が、人生経験豊富な中年女性(母ペネロペイア)に口をつぐめと命じます。
西欧文化の記録が始まるまさにその時点で、女性の皇帝発言が封じられる様子が描かれるとは、これい以上わかりやすい例示はありません。
(サイト内リンク)The METropolitan Opera×99>トロイアの人々
変身物語 上・下(オウィディウス) (岩波文庫), Publius Ovidius Naso (原著), 中村 善也 (翻訳)5つ星のうち4.3/ 33個の評価
『変身物語』若き王女ピロメラがレイプ犯に舌を切られる様子がシェイクスピアの『タイタス・アンドロニカス』でモチーフとしてとりあげられます。
(サイト内リンク)シェイクスピア×99>タイタス・アンドロニカス
家庭(夫、子など)やほかの女性達の利益のためなら公的発言が許されることがありました。
相手を刺激するのは、あなたが何を言ったかではなく、単純にあなたが発言したという事実なのです。
第2部 女がパワーを持つということ
目を閉じて、大統領を、あるいは大学教授を思い浮かべてみるとき、想像するのはまず女性ではないでしょう。そしてそれば、あなたが女性大学教授だったとしても、同じです。
女性が権力に手を伸ばそうとするときのメタファー「ドアをノックする」「城塞を襲撃する」「ガラスの天井を壊す」「レッグアップ(馬に乗ろうとする女性などの足に手を添えて支えること)する」
ギリシアの英雄アキレウスがアマゾネスの女王ペンテシレイア1を槍で突くその瞬間、二人は恋に落ちます。
女の平和 – アリストパーネス (著), オーブリー ビアズリー (イラスト), Lysistrata Aristophanes (原著), 佐藤 雅彦 (翻訳)5つ星のうち4.6 /10個の評価
古代アテナイを舞台にしたセックススストライキの話。男たちは芝居の間ずっと勃起したまま歩きまわるはめになり、これを表現するのに様々な演出がされます。
メドゥーサを海神ポセイドンがアテナの神殿で犯し、怒ったアテナは、彼ではなく彼女を怪物に変身させます。
”青踏”18世紀半ば、ロンドンの文芸愛好家のサロンで、ある婦人が青い靴下を履いていたことから(嫌味な)インテリ女性のこと
イギリスの女性首相テリーザ・メイはキトゥンヒール2(低いヒールの靴)を履いていました。
女性が権力構造に完全には入り込めないのなら、女性ではなく、権力のほうを定義しなおすべきなのです。
訳者あとがき
説教したがる男たち 2018/9/7 レベッカ ソルニット (著), ハーン小路 恭子 (翻訳)5つ星のうち4.4 /89個の評価
わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い 2021/1/29 ソルニット レベッカ (著), ハーン小路 恭子 (翻訳) 5つ星のうち4.7/ 29個の評価
私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない – 2018/12/13 イ・ミンギョン (著), すんみ (翻訳), 小山内園子 (翻訳)5つ星のうち4.6/ 206個の評価
声の物語 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) クリスティーナ ダルチャー (著), 市田 泉 (翻訳) 形式: Kindle版 5つ星のうち4.0/ 15個の評価
全ての女性は1日に100語以上話してはいけないディストピア小説
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