ムッソリーニとお茶を
フランコ・ゼッフェレッリの自伝ともいえる映画で、1930年代のフィレンツェで、母が亡くなった少年が、父の英国人秘書に母親代わりを託されます。シニカルなマギー・スミス演じるニヒリストの元英国大使夫人、ジュディ・ディンチ演じる美術愛好家の英国人、ポスト紙の新聞記者など、刺すような辛辣さから「サソリ族」と呼ばれる英国人女性グループや、シェール演じる元女優で大金持ちと結婚したアメリカ人、レズビアンのアメリカ人考古学者、イギリス領事などが、協力して少年ルカを育てます。
ムッソリーニは気位の高い女性の前では丁寧な態度で安心させるようなふるまいをします。
見て。アメリカ人ったら、あんなバカな物を子供に。‘バカンス・サンデー’なんて名まで。何でも下品にしてしまう連中ね。
パフェはフランス由来で、サンデーはアメリカ由来です。
パフェの語源は、フランス語で「完全な」という意味の parfait1。背の高いグラスに、アイスクリームや甘いソースやフルーツ、時にはリキュールなどアルコール類を詰めた冷製のデザート2で、それがアメリカにわたり、コーンフレークなどで高く層にした上品なイメージのパフェに対して、アイスクリームにトッピングをしたカジュアルなイメージのサンデーが生まれたそうです。安息日である日曜日にも食べれるように豪華さを排除したアレンジが語源です。
日本のチェーン店では高さにより区別していることが多いようです3。
1940年イタリアはイギリスなど連合国に宣戦布告しました。敵国人は強制収容所に集められ、ユダヤ人は強制収容所に送られます。彼女らはサンジャミーノのホテルに収容され、地元の教会の壁画を守るボランティを行ったりし、青年となったルカは陰ながら助けます。
「自分より他人を愛せ」「シェイクスピア?」「Who one else?」
「本当にムッソリーニがホテル代を払ってると思ってる?」「Who one else?」
将来ゼッフェレッリが監督して大ヒットした映画『ロミオとジュリエット』の原点として、少年が人形劇で遊んでもらう場面もあります。この映画の脚本と監督も担当していますが、映画は、関係者のその後を列挙し、一番最後はhelpという単語を使って下記のようなコメントでしめています。
Luca went on to become an artist and helped in making this film.
(字幕)ルカは、アーティストとなり、この映画を監督した。
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