KAMとは何か?KeyAuditMatters(監査上の主要な検討事項)
2021年3月の報告からKAMの公開が必須となりました。
定型文となっている監査報告書に個別事情の記載の余地が加わったものです。
環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資がグローバルに広がっている一環としてKAMの流れが出てきました。
今後のESG投資への予測~国際監査基準・KAMへの対応について – には以下が挙げられています。
国際比較において、日本企業の評価が相対的に劣ると指摘を受けている点
① 経営陣の資質:取締役、社外取締役・監査役、女性取締役、取締役会議長、報酬委員会・指名委員会、等全てのボードメンバーに関する役割、任命意義の開示
② リスクマネジメント:その対象リスト、方針・実情等の開示
③ 政治献金の開示・透明性:透明性の欠如、ロビー活動、政治献金等を通じた政策立案への関与、行動規範への違反、等の情報開示の強化が課題
④ 海外サプライチェーン:外国の労働法に基く労働環境への方針、取組み所謂S の実態開示
⑤ 環境:特に進出先海外における、水・廃棄物:水管理・排水処理・薬物使用と処理、原材料調達、廃棄物処理、リサイクルなどに関連し環境リスクや汚染への配慮方針と現状の開示
⑥ 環境:植林活動や寄付活動など、企業の経営戦略と直接関係のない寄付などの開示はあっても、業務に直結するような環境保全や社会への配慮につながるような開示が全体的に少ない
⑦ 人権と地域社会:地域社会への取り組み. 所謂ステークホルダーへの取組み
⑧ 人事領域の課題:女性活用方針、人事評価上の自社内競争原理の制度、妥当性・公平性の開示が少ない。優秀な人材をひきつけるための取り組み、人材スキル開発、ダイバーシティの推進情報の開示。終身雇用など旧来の慣習が変化し、優秀な人材獲得の競争激化している環境下、この課題の重要性は高い
⑨ 日本企業特有の政策株式持合い、親子上場:この点における方針、数値を伴う効果の開示において、合理性、透明性の欠如
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