『ボヴァリー夫人』フローベル
19世紀フランス文学の名作と位置づけられているフローベールの代表作。
田舎の平凡な結婚生活に倦怠した若い女主人公エマ・ボヴァリーが自由で華やかな世界に憧れ、不倫や借金地獄に追い詰められた末、人生に絶望して服毒自殺に至っていく物語で、風紀紊乱・宗教冒涜の罪で起訴されるも、無罪判決を勝ち取りベストセラーとなりました。1
翻案
日本版コミカライズ『ボヴァリー夫人』(作画:いがらしゆみこ / 発行:中公文庫 / 発売:1997年 )
イラスト本でのダイジェストに『ボヴァリー夫人』(文:姫野カオルコ / 絵:木村タカヒロ / 発行:角川書店 / 発売:2003年)
1951年オペラ化(エマニュエル・ボンドヴィル作曲、ルネ・フォーショワ台本)
日本語訳
- 日本では中村星湖によって初めて完訳され[注 2]、1916年(大正5年)早稲田大学出版部で『ボヷリイ夫人』として刊行されるが発禁となるも、1920年に解除し、新潮社で新版再刊。
- 伊吹武彦訳、1949年、岩波文庫(上・下)、改訳1960年、改版2007年 / 他に『フローベール全集1』筑摩書房
- 村上菊一郎訳、1949年、思索社 / 角川文庫で改訂刊
- 生島遼一訳、1965年(改版1997年)、新潮文庫 / 他に『新潮世界文学9 フローベール』新潮社
- 山田爵訳、1965年(新装版1994年)、中央公論社「世界の文学」/ 河出文庫、2009年
- 白井浩司訳、1967年、旺文社文庫
- 杉捷夫訳、1971年、筑摩書房「筑摩世界文学大系45」、他に「世界文学全集28」
- 中村光夫訳、1971年、講談社「世界文学全集17」、新版は「世界文学全集37」
- 菅野昭正訳[10]、1976年、集英社「世界文学全集 第17巻」、他に「世界文学全集41」
- 芳川泰久訳、2015年、新潮文庫
参考文献
- 今村純子「愛の彼方へ:『ボヴァリー夫人』における超越」『宗教学研究室紀要』第1号、京都大学文学研究科宗教学専修、36-49頁、2004年6月。 NAID 120000891205。
- 工藤庸子「第7章 フローベール『ボヴァリー夫人』」 – 『世界の名作を読む 海外文学講義』工藤庸子・池内紀・柴田元幸・沼野充義 編、角川ソフィア文庫、2016年8月。
- 工藤庸子 『恋愛小説のレトリック――「ボヴァリー夫人」を読む』 東京大学出版会、1998年
- 工藤庸子 『近代ヨーロッパの宗教文化論――姦通小説・ナポレオン法典・政教分離』 東京大学出版会、2013年
- 工藤庸子編訳 『ボヴァリー夫人の手紙』 筑摩書房、1986年。ルイーズ・コレ宛ての手紙を軸にした選集
- マリオ・バルガス=リョサ 『果てしなき饗宴-フロベールと「ボヴァリー夫人」』 工藤庸子訳、筑摩書房〈筑摩叢書〉、1988年
- 諏訪裕「『ボヴァリー夫人』の語り手」『Collected papers on foreign language and literature at Teikyo University』第16号、帝京大学第2外国語部会、1-24頁、2010年。 NAID 120005945638。
- 諏訪裕「何も起きない小説『ボヴァリー夫人』」『Teikyo journal of language studies』第4号、帝京大学外国語学部外国語学科、105-127頁、2011年3月。 NAID 120005945834。
- 諏訪裕 『ボヴァリー夫人 主題と変奏』 近代文芸社、1996年
- 松澤和宏『ボヴァリー夫人を読む――恋愛・金銭・デモクラシー』岩波書店〈岩波セミナーブックス〉、2004年10月。ISBN 978-4000280532。
- 松澤和宏「フローベール『ボヴァリー夫人』における報われない美徳」『名古屋大学文学部研究論集』文学62、名古屋大学文学部、69-81頁、2016年。 NAID 120005740278。
- アンリ・トロワイヤ『フロベール伝』市川裕見子・土屋良二訳、水声社、2008年6月。ISBN 978-4891766863。
- 蓮實重彦 『「ボヴァリー夫人」論』 筑摩書房、2014年
- 蓮實重彦 『「ボヴァリー夫人」拾遺』 羽鳥書店、2014年
- 芳川泰久 『「ボヴァリー夫人」をごく私的に読む』 せりか書房、2015年
- ウラジーミル・ナボコフ 『ナボコフの文学講義 (上)』 野島秀勝訳、河出文庫、2013年
第4章『ギュスターヴ・フロベール「ボヴァリー夫人」』 - サマセット・モーム 『世界の十大小説 (下)』 西川正身訳、岩波文庫、1997年
第7章『フローベールと「ボヴァリー夫人」』
(サイト内リンク)シェイクスピア4大悲劇>マクベス>ムツェンスク郡のマクベス夫人
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